更新日:2022/08/11
よくあるトラブルと対策方法
夜勤専従の勤務時間は利用者の就寝時間帯です。利用者と接する機会は日勤よりも少なめですがまったくない、というわけではありません。対応を間違えばトラブルに発展する可能性もあります。利用者と接する時はどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
ナースコールが頻繁に鳴る
日中は元気でも夜になるにつれて精神的に不安定になる、不穏な行動が増える、といったように日中と夜間では行動に差が出る利用者も少なくありません。そのせいか、ナースコールが鳴る回数も多くなります。ナースコールが鳴り部屋に駆け付けても押したことを忘れているのか「誰も呼んでいない」「何回も来られて眠れない」と言われることもありますし、「寂しいから」「眠れないから」という理由で介護士を呼ぶ人もいます。ただでさえ夜勤はスタッフの人数が少ないのに、ナースコールで呼ばれてしまうとさらに業務が滞ってしまいます。この場合はどう対処すればいいのでしょうか。
押した本人が覚えていない場合は、ナースコールの連打を防ぐ方法はありません。利用者に朝までぐっすりと眠ってもらうのが一番の解決策です。熟睡できるように日中は精力的に活動してもらいましょう。就寝環境を変えてみるのも1つの方法です。ふとんや枕の高さ、照明の明るさを変えるだけでもだいぶ違います。
また、「眠れないから睡眠薬が欲しい」と訴える利用者もいます。しかし、飲み合わせなどもありますし、薬に頼るのが癖になってはいけないので極力渡さないように説明しているはずです。それでも欲しいと訴えてくるようならラムネを一粒渡してみましょう。ラムネの偽薬効果で「薬を飲んだから大丈夫」と安心し、眠れない不安を打ち消してくれます。それほど時間をかけずに入眠することができるでしょう。これはいわゆる「プラシーボ効果」と呼ばれるものですが注意点もあります。健康面に問題のない利用者に対して有効ですが、体調不良の場合は一時的なごまかしにしかなりません。症状が進行していないか注意深く観察する必要があります。
部屋を間違えないようにする工夫
夜勤専従の業務のひとつに見回りがあります。体調に変化がないか利用者1人ひとりを確認していきますが、利用者が部屋にいないというケースもあります。他のスタッフと室内や他の部屋を探したところ、間違って違う部屋で寝ていたというのも珍しくありません。同じような造りになっているのでトイレに行った帰りに部屋を間違えてしまったのでしょう。このような部屋の間違いは認知症の人によく起こります。暗いと文字が見えにくいので部屋の扉に色を付ける、人形をぶら下げる、といったようにわかりやすい目印を付けるなどの工夫が必要です。